TPiCS 導入 ユーザー事例

5044a791fb8038de6191 (2)

株式会社 キョウデンプレシジョン(日本)

分散・集中のバランスのとれたシステムを実現。
守りから攻めの生産管理へ

B675fe9ba28a61d4389b
    1.状況: キョウデンプレシジョンは長年にわたりバラバラに運用されていた3事業の生産管理をTPiCSに統一しました。各事業の独立性を保ちつつ、一体感のある分散・集中の仕組みを構築しました。
2.成果:
  • 守りから攻めの生産管理への転換により、従業員のやる気が向上しました。
  • 現場改善も大きく進んでいます。
3.目標: 今後も個別事業の効率向上はもちろん、全社目標である完全内製型ワンストップソリューションの提供に向けて、生産管理システムをフルに活用していきます。

ワンストップソリューションに挑む

    ㈱キョウデンプレシジョン(静岡県伊豆の国市三福、通称:KPI)は、事業が大別して、プレス板金・機械加工・成形などの部品加工(メカ事業)、プリント基板実装(実装事業)、ユニット品の組立(ユニット事業)の3つあります。   それぞれの部門は個別のビジネスも行うが、「会社としての目標は、部品製造から完成品まで、完全内製型のワンストップソリューションで提供すること」と三福工場工場長の赤井悟氏は話します。またキョウデングループにはKPIを含めて国内7つ、海外1つの製造拠点があり、「グループの力を集めれば、およそ世の中にある機械・装置 類なら、何 でもつくれます」と赤井氏が述べました。
3b2387cedbdf188141ce
81edb202ee132d4d7402

使うだけの生産管理から始まる

Z3516614128043 12039c538d7ead7276da52db8c111752
  KPIの生産管理システムは、前史を含めると30余年にわたる歴史がある。しかし2000年以前は、親会社がシステムをすべて管理し、KPI側はそのシステムを使って処理を行うだけの状況が続いた。処理を誤ると、その修正自分たちではできず、親会社に陳情して直してもらうなど、われわれには自由度の低いシステムでした 」と長年、実装事業の管理責任者を務めた生産部生産管理課担当課長の小針和美氏は話す。 問題:処理を誤ると、その修正も自分たちではできず、親会社に陳情して直してもらうなど ⇒自由度の低いシステム
KPI の前身会社が統合を繰り返してきたため、KPI の3事業は親会社において母体の異なる事業体の傘下に置かれ、使用する生産管理システムも別々のものを使わざるを得なかったです。しかし、1企業であるかぎり最終的にそれを1つにまとめないと経 理 処理が 行えません。そのため、毎月決められた日に3事業の管理担当者 が 集まり、遅くまで残って手 作 業で 集計していました。

依然として三者三様状態が続く

    コンピュータが誤動作する恐れがあるとされた2000年問題に端を発し、親会社に陳情してメカ事業が生産管理に独自の仕組みを取り入れました。 メカ事業は社内や親会社への部品供給のほか、外部の顧客向けに部品加工事業を行っていため、「親会社が提供する管理の仕組みだけでは対応が難しかったのです」 (営業部営業1課担当課長の佐野哲也氏:メカ事業の管理責任者)。  
Z3516618739609 Bfe37294a5f1387d4d7ea15246f98569
Z3516614120993 8438f059de9c3ec7d10972d38518477f
  メカ事業に続き、05年にはユニット事業でも同じシステムを導入しました。 「実はメカがシステムを入れる際、仲間うちでは候補としてTPiCSさんの名前をあげていたのですが、親会社推奨の生産管理システムということで、他社製のものにせざるを得ませんでした」と当時、ユニット事業の管理責任者だった管理部情報システム課参与の辻井良博氏は話す。  
システムの自社導入により、以前よりも自由度は高まったが、経理処理や事業間の受発注処理などは相変わらず手作業で行わなければなりませんでした。もう1つの実装事業は、親会社の仕組みのままであり、依然として社内の生産管理は三者三様の仕組みが継続されました。 運の悪いことに、メカ事業とユニット事業が導入したシステムはそれから数年後、システムメーカーがその事業から撤退し、何か事が生じてもサービスを受けられない状況に陥ました。

ピンチをチャンスに

転機が訪れたのは2015年です。親会社が替わりキョウデンの傘下に入ったことです。しかし、それにより生産管理の担当者には大きな仕事が待ち受けました。旧親会社に関連するシステムの使用期間が2年に限定され、その間に新システムを立ち上げなければならなくなったのです。 しかし、担当者たちはピンチをチャンスとして捉え、前向きに臨みました。小針氏と佐野氏をリーダーに、新たな生産管理システム構築のプロジェクトチームを結成、理想的なシステムを目指すことにした。その結果、選ばれたのがTPiCSです。
19f67a202631e56fbc20
決め手となったのは、「機能面に関して、われわれの要望に対応でき、自由度があったこと」(小針氏)。「情報公開の仕方がわかりやすかったこと」(辻井氏)。「メカ事業には社内でモノを加工する以外にも、熱処理や表面処理など、外注会社とやりとりする工程が含まれますが、TPiCSには発注書の発行や支払いなどもスムーズに行える機能があったこと」(佐野氏)などです。 進め方として、量産など緊急性の高い仕組みをステップⅠとして優先的に構築し、棚卸し、経費要求、メカ事業部の試作や個別受注管理などはステップⅡとして数か月後に稼働させる方法をとりました。ですが、何と言っても一番問題になったのは、3事業のシステムを完全に統一するか、分離させるかでした。 「当初は、せっかく新システムにするのだから、われわれとしてはすべてを統合させたい考えでした。しかし、コサウェルさんのお話を聞くうちに、『分散しておいたほうが都合のよいことも多い』ことがわかりました」(辻井氏)。

分散と集中の仕組みを構築

  その結果、各事業がそれぞれにデータベースを持つ分散型システムを基本にすることにしました。3事業の業務はそれぞれに特徴があります。このように違いの多い業務を一つに統合すると、システムが複雑になってしまいます。また、事業部門間の売り買いもあり、それらの処理をスムーズに行うためにも、独立させたほうが良いと判断したのです。ただし、入出力の方法やマスタ登録などをきちんと統一し、全社でまとめるときも、手作業に頼らず自動で行えるようにしました。

ステップを完了、攻めの生産管理へ

Z3516709971100 98773f11f0900361f8c9d636c9d926cb
  全社の生産管理としてMRPを回すときは、一度に3事業のすべてを回すのではなく、まずセット品を取り扱うユニット事業から始め、それを受ける形で実装、メカ事業の順序で回します。またメカ事業は日々、単品の注文が入るので、単独でも毎日、MRPを回します。 つまり、メカ事業がMRPを回すのは、ユニットや実装事業に使う部品加工のための所要量の計算と、個別事業との2つの目的があることになります。現在は、キョウデンから注文を受けたり外部から注文を受けると、そのデータをTPiCSに入れて生産計画を立て、そこから部品手配と製造指示を出します。その指示に従ってMRPを回して確定をします。
こうして、払い出しから製造・出荷までをすべて担当者自身で決められるようになっています。システムは16年11月に稼働。直後にはMRPの設定方法をめぐり多少の混乱もあったが、正しい状態に戻ってからはスムーズに行くようになりました。17年3月には棚卸しのシステムなどステップⅡも完了しました。
棚卸しはバーコードを使う簡便なシステムで、現場従業員たちからの評判も上々です。 新システムに慣れるに従い、現場従業員からは「こうすればもっと見やすくなる」などの新たな改善提案が生まれるようになったという。「従来の守りの生産管理から脱却し、 これからは攻めのツールとして活用していきたい」と、導入当初から、職場からの 要 望 の 整理・取りまとめと改善に向け担当した情報システム課の板 垣 裕 也 課 長は話す。
Z3516709989542 Ad70b040380a539db1062dab13e6e914